手話と手話通訳士

皆さんは街角や駅などで、聞こえない人たちが手や指を使って話をし意思を通じ あっている光景を目にしたことがおありでしょう。
手話は、ものごとの意味・内容を手指の動き、表情、動作などで具体的に表していく“視覚的な言語”です。そして、聴覚障害者の人たちがお互いどうしの、また、聞こえる人との心のつながりを持つための大事なコミュニケーションの手段として、聴覚障害者の人たちが自立し社会参加をしていくうえで大きな役割を果たしています。
最近では、行政職員として、手話通訳士の有資格者の募集があったり、1995年の公職選挙法改正により、政党制作の政見放送の際、手話通訳士の有資格者に手話通訳を行わせてもよい、と明文化されるなど、単に「手話を学んだ者」ということではなく、「手話通訳士」有資格者への信頼度、求人ニーズは高まってきている。
手話通訳者は、相互の意思伝達が困難な人々の間のコミュニケーションを仲介する行為を行い、実際の通訳場面では両者の意見や立場を知り得る唯一の人として重要な役割を担っていることから、手話通訳者には、公正な態度、さまざまなことを理解する知識および高い通訳技術が求められています。
手話通訳士試験が求めている、手話通訳者の役割と通訳技術および通訳者としても身につけておくべき一般教養を評価することは、このことを裏付けているといえます。
公職選挙法の改正により、1995年の参議院議員選挙比例代表の政見放送において「名簿届出政党等が厚生大臣(現厚生労働大臣)公認の手話通訳試験に合格した手話通訳士を自らの手話通訳者として政見を通訳させることができるものとする」となり、手話通訳士の資格が法律の中に明文化されました。
この参議院議員選挙比例代表の政見放送以外は、法律の中で手話通訳士の資格が明文化されているものはありません。
これは、手話通訳士資格が「名称独占」資格で、「業務独占」の資格ではないことを意味しています。
業務独占資格ではありませんが、最近では、行政機関の窓口に設置する手話通訳者を募集するときに、手話通訳士有資格を条件にしているところも増えてきています。
また、地域の手話通訳者の派遣事務所では、司法場面等通訳現場の内容により、手話通訳者の配置を手話通訳士有資格者としているところもあります。
しかし、全国的にみると手話通訳士有資格者に限らず、ろう者と運動を共にしてきた手話通訳者や手話学習者が各地域の中で、ろう者の生活や権利の保障を支えています。
その多くは非常勤の身分であり、身分保障などよい環境とはいいがたい中で手話通訳業務を行っているのが現状です。
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